TOP>>MAIN>>形式集>>鉄道形式集>>205系

205

所属会社
company
JR/東日本/JR西日本
JR/
-EAST/WEST
種別
type
一般形電車(近距離)
EMU/commuter
使用区域 首都圏各線/阪和線/仙石線
電源方式 DC1500V
制御方式 界磁添加励磁/VVVFインバータ
ドア数 (一部6ドア)
在籍総数 1416両
最高速度 100km/h 110km/h

-概要-
 旧国鉄の一般形電車。

 結果的に不首尾に終わった201系に代わり、完全に旧型となりつつあった101系103系を置き換えるべく製造された系列。211系とは兄弟車の関係にあり、通勤車両における久々のスタンダード車両となった。

 もっとも特徴的である点はその外観で、国鉄車としてはじめて大々的にステンレス構体を採用した。この構体は、従来のように細かなビードを必要としない新世代の工法で、これにラインカラーの帯を巻くことで非常にスマートな外観を得ることに成功している。また、制御機器は高価であったチョッパ制御ではなく、安価な抵抗制御をベースとしながらも、回生ブレーキを使用可能とした「界磁添加励磁制御」に切り替わった。この新たな車体構造と制御方式の組み合わせは、211系とともにこの後10年近く主流となっていくことになる。

 85年に量産先行車が山手線に投入されたことを皮切りに、首都圏及び京阪神に投入が行われていった。この流れはJR化後にも続き、折からの好景気もあって1000両規模で増備が成されている。うち、量産先行車は側面窓が従来車と同様の4枚窓であったが、量産車では一段降下タイプの大型ガラス二枚窓に変更された。これには、東急車輛で205系の隣にあった横浜市交2000形を見た国鉄の幹部が発した、『一段下降窓のほうがすっきりする』との鶴の一声によって決定した、という有名なエピソードがある。
 とはいえ、3000両以上残存する103系を全て置き換えることはかなわず、この時点で本系列に統一できた路線は山手線、埼京線、横浜根岸線、相模線のみであった。

 この後、JR東日本では209系が、西日本では207系がその跡を継ぐことになり、本系列の新造は終了する。これまでに投入された路線は、上記の4路線に加え、総武緩行線、武蔵野線、京葉線、南武線、京阪神緩行線、阪和線であった。これらのうち、京葉線、及び武蔵野線に投入された車両は、メルヘン顔と称される前面デザインが丸みを帯びたものに変更されている。
 先の相模線には電化と同時に投入された。近郊区間ではあるが単線ローカルとしての顔を持った路線であるために、ドアの半自動化など独自要素が強い車両であるため、500番台に区分されている。前面デザインも先述のメルヘン顔とは比にならないほど、大幅に異なったものとなった。
 西日本地区では、阪和線に110km/h対応となり前面窓のレイアウトが変更された1000番台が投入される。しかし、こちらも京阪神緩行線用と同様少数しか製造されることはなく、また阪和線には207系が投入されなかったことから現在でも103系の姿を見ることが出来る。

 一時代を築いた205系も増備完了から約10年が経過。ついに205系は追われる側となる。怒涛の勢いで増殖するE231系の山手線への投入により山手線の205系は全車他線区へ転出することになったのだ。これに合わせ、JR東日本は社内に205系プロジェクトを設置。首都圏を中心に、大量に残存していた103系を置き換えるための大転属劇の幕が上がった。具体的には、旧山手線の車両を中心とした205系を、いまだ103系が残る、南武、鶴見、武蔵野、八高、川越、仙石、及び113系の淘汰目的で房総地区に、各線区の規格にあわせ短編成、機関換装等を行った上で転属させる、というものである。

 しかし実際は、そう簡単なものではなかった。もともと11両であったため、大幅に不足する先頭車を補うために、一部車両の先頭車化改造を行い、さらに路線ごとに前面形状を合わせんがために先頭車の組み換えを行っている。武蔵野線用においては、今度は動力車の不足が最大の問題となった。乗り入れ先である京葉線のトンネル内での押し上げ条件を4両の動力車で満たすため、制御装置をより高い粘着率を望めるVVVFインバータ制御へと換装。また、元山手車に含まれるサハ204形は、埼京線に集中編入された。
 
 計画のさなかに、北千葉地区への投入計画が消滅。ここにあてられる予定だった車両は武蔵野線をはじめとする各線に振り分けられることとなった。

 短編成化され先頭車化改造をうけた車両の第一号は1000番台となり、101系に代わり南武支線で運用についている。当然ながら西日本の1000番台とは全くの無関係で、車番重複も生じていない。

 さらに、仙石線用の205系は耐寒耐雪仕様でトイレや車椅子スペースが設けられ、扉の半自動化がなされた3100番台となった。こちらは1000番台とは異なり、4両編成となっている。また、一部の編成には近鉄のL/Cカーと同様のロングシートとクロスシートの両方に変更できる「2WAYシート」が設けられる。このシートが設置される編成は4本であり、そのうちの片方のクハ205が「2WAYシート車」となる。この編成は他編成とは帯の色が異なり、休日の快速に限定して運用される。

 この大転配が終わるのと時を同じくして、JR西日本では321系の導入により205系は阪和線に集約されることとなる。これにより各地の205系異動がひと段落することになるのだが、首都圏地区においては未だ大混雑路線である埼京線や、根岸線内で京浜東北線E233系と共存しなければならない横浜線などに多数が残存しているため、これら線区にE233系の投入も予想されている。仮にこれが実行された場合、房総地区に転属する公算が高い。

-大別-
量産先行車
側窓が201系などと同じく2段サッシ窓。通称、田窓車。
基本番台
本系列中最大勢力。側面窓は国鉄の量産一般車初の一段下降式。
京葉線と武蔵野線に新製投入されたグループは、前面の形状が若干変更された。通称メルヘン顔
500番台
相模線の電化に合わせて投入されたグループ。前面デザインが大幅に変更されている
同線は単線のため、待ち合わせ時の冷暖房の効率化のために、扉の半自動スイッチを装備する。
1000番台【西】
JR西日本がJR化後に増備したグループ。前面窓のレイアウトが一部低運構造となった。台車は221系と同じものを履き、モーター出力の強化が行われた結果、最高速度は110km/hに向上している。
1000/1100/1200番台【東】
大転属によって誕生した先頭車化改造車両で構成されるグループ。
1000番台は南武支線用の2連。1100番台は鶴見線用の3連。1200番台は南武線用の先頭車。
3000番台
八高線用のグループ。先頭車化改造車で構成される4連である。単線での運用のため、基本的に500番台と同等の装備を持つ。
3100番台
仙石線に投入されたグループ。寒冷地仕様となり、同時にトイレも設置された。
一部の編成はロングシートとクロスシートの可変が可能な2wayシートを装備している。
5000番台
大転配に際して、武蔵野線に本系列を投入する際、動力車が不足し京葉線のトンネル内での押し上げ条件を満たすことが出来なくなった。それを解消するため、粘着率の高いVVVFインバータ制御に換装したグループである。主制御器が変更されたものの、形式は変わることはなく番台区分のみに留まった。中間車のみの存在。
捻出された機器類の一部は、253系の増備編成に転用された。
サハ204-900
下記サハ204の試作車。本系列中唯一の900番台車である。量産車とはディスプレイの大きさなどが異なっている。
サハ204
ラッシュ時の混雑に対応するために製造された6扉車。朝の10時もしくは9時前後までは、座席が跳ね上げられた状態で固定される。車内には液晶ディスプレイも設置されていた。東日本のみの存在。
このコンセプトは後継の209系E231系にも引き継がれ、さらにはE231系を基本とする東急5000系(5050/5080系は未採用)も6扉車を採用した。
山手線から離脱した現在は、埼京線の車両に組み込まれており、液晶は撤去されている。
サハ204-100
横浜線用に増備されたグループ。すでに205系の製造が終了していたため、随所に209系の設計が取り入れられており、台車も「走るんです」タイプの簡素なものを履いている。

-編成-
 ・10連

 ・8連


 ・6連
 ・4連
 ・3連
 ・2連
(埼京線:6扉車組み込み編成)
(埼京線:全4扉編成)
(武蔵野線:インバータ編成)
(武蔵野線:基本番台編成)
(横浜線:6扉車組み込み編成)
Tc’-M’-M-M’-M-M’-M-T’-T’-Tc
Tc’-M’-M-T-M’-M-T-M’-M-Tc
Tc’-M’-M-T-T-M’-M-Tc
Tc’-M’-M-M’-M-M’-M-Tc
Tc’-T’-M’-M-T-M’-M-Tc
Tc’-M’-M-M’-M-Tc
Tc’-M’-M-Tc
Mc’-M-Tc
Mc’-Mc

-運用-
 埼京線
 横浜線
 根岸線
 武蔵野線
 京葉線
 鶴見線
 南武/南武支線
 八高線・川越線
 相模線
 仙石線
 阪和線

-所属-
 ・川越車両センター(宮ハエ)
 ・鎌倉車両センター(横クラ)
 ・中原電車区(横ナハ)
 ・京葉車両センター(千ケヨ)
 ・仙台車両センター(仙セン)
 ・日根野電車区(大ヒネ)

-外装-
 ・ステンレス無塗装

-カラーバリエーション-
埼京線 横浜・根岸線 武蔵野線 京葉線 南武線 南武支線
 
鶴見線 八高・川越線 相模線 仙石線 仙石線
2waysシート編成
特別塗装:仙石線
マンガッタンライナー
 
阪和線

-車体構造-
 ・軽量ステンレス構造【国鉄】

-製造-
 ・川崎重工業  ・東急車輛製造  ・日本車輌製造   

-関連リンク-
形式集
 ・211系  ・209系   ・207系900番台  ・207系  ・221系  ・253系  ・103系  ・201系 
 ・101系
外部
---

-模型(Nゲージ)-
KATO
 ・山手線     ・京葉線(メルヘン顔) ・京葉線(ドア小窓) ・埼京線
 ・京浜東北線 ・総武線
 ・3000番台/八高線 ・3100番台/仙石線 ・5000番台/武蔵野線
MICROACE
 ・量産先行車/山手線  ・量産先行車/京葉線  ・1000番台【西】

TOP>>MAIN>>形式集>>鉄道形式集>>205系