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209

所属会社
company
JR東日本
JR-EAST
種別
type
一般形電車(近距離)
EMU/commuter
使用区域 首都圏各線
電源方式 DC1500V
制御方式 VVVFインバータ
ドア数 (一部6ドア)
在籍総数
最高速度 110km/h

-概要-
 JR東日本の一般形電車。現在首都圏を走る新系列車両の基礎を築いた車両。

 103系の老朽化が深刻になるつつある中、バブル崩壊による不況や、少子化という不安要素に加え、効率化の推進を鑑みた結果、JR東日本が打ち出した方針は”「寿命半分」、「価格半分」、「重量半分」の車輌”の大量製造というものであった。他のJR各社が205系や211をベースにした車輌を製造する中、大量の旧型車輌を抱える東日本はこのコンセプトを実現するために、従来の車輌とは一線を画した車輌を登場させる。

 その車両は、901系というモハ90以来の試作形式として登場する。3編成が製造されたこの系列は、車体構造、制御方式、台車方式、などの全てが見直された意欲作であった。さらに、メーカーごとに独自工法の使用を認めコストダウンを図る、という常識破りなこともやってのける。この901系は編成ごとに工法や制御装置等の仕様は異なるものの、207系900番台以来となるVVVFインバータ制御となり、車体も基本的にはビードレスステンレス構造で、側窓を巨大な一枚窓とした独特なものであった。

 この試作車輌の結果を受け1993年にその量産車として本系列、209系が登場。主に運転台周りに改良が成され、車内LEDも量産車では初の装備となった。このLEDには行き先表示に加えて、次駅案内も表示されるようになり、これと同時に実装されたドア開閉チャイムを含めた案内設備は、JR東日本だけでなく日本のスタンダードとして定着していくことになる。こと東日本においては、このシステムは後のE231系にも引き継がれVISという総合情報システムに発展していく。

 その後、JR東日本は209系をはじめとする新世代車両の製造用に、鉄道会社としては世界初となる本格的な車両工場「新津車両製作所」を組織改変によって誕生させる。年間250両近い製造両数を誇るこの工場は、既存メーカーとともに本系列の製造を開始。現在まで続く新系列車両の増備の一翼を担うことになる。

 機器類や外装だけでなく、インテリアも革新的であり、座席は型持ち式のロングシートを採用。これは清掃作業の効率化を図るためである。このシートはバケットタイプのものを採用しており、さらにスタンションポールを組み合わせることによって着席区分の明確化を図っている。これもまた、新型車両のスタンダードとなった要素である。

 901系と同様に、本系列は基本番台が京浜東北線に集中投入された。最終増備グループも含めれば10年以上にわたって増備が続けられたが、同線区のほかに南武線、八高線、中央総武緩行線、常磐緩行線にも投入されている。

 南武線用は基本番台であるが、八高線用はドアの半自動化などにより3000番台に区分されている。基本番台と直接的なつながりがあるのはここまでで、これ以外は実質別系列にあたる。
 その際たるものが500番台で、E231系投入までの繋ぎとしてE217系の構体を流用してでっち上げられた存在である。これは当初、総武緩行線にのみ投入されていたのだが、後にD-ATCに関連する予備車問題などがあり最終的に5編成が浦和に転属している。この500番台は、前述のようにE217系をベースとしているため後述のE233系による淘汰対象にはならず、再び転属することが決定している。
 このほか常磐緩行線の増発用に地下鉄仕様の1000番台が2本製造されており、こちらは前面に貫通路を装備しMT比が高く設定されている。

 先に掲げた3つの「半減」コンセプトは、209系の成功によってJR東日本の一般車両の基礎となりE217系E127系701系E501系等、本系列は多くの派生系列を生むことになる。また、第3セクターであるりんかい線用の70-000系は、実質的に本系列の基本番台と同仕様である。このことから、同鉄道において10連化が行われた際に、余剰となった6両が3100番台として八高線用に転属している。この際、不足する中間車を補うためにモハユニット2両のみ新造された。

 こうして、広い地域に拡散した209系の派生車両は、その割り切ったコンセプトから「走るんです」と揶揄されることになるが、後継であるE231系などが登場するにつれて、その呼称は愛称へと変化していった。

 こうして一時代を築いた209系は、500番台が17編成投入された後にTIMSを装備した汎用タイプのE231系にシフトし製造が終了する。E231系以降は、本系列での反省を踏まえて若干クオリティをあげているが、本系列の特に基本番台車両は、極端にまで割り切った設計によって、無理が生じ始めていた。その結果、ついにE233系によって置き換えられることが決定し、先輩格である205系よりも先に引退することとなった。この置き換えに際して、上記のとおり500番台のみ京葉線に転属することが決定。残る基本番台及び試作車はすでに数本が運用から撤退しており、解体されたものも存在する。

 このほか、常磐緩行線に投入されるE233系も1000番台を置き換えるという説があったが、実際は置き換えは起こりそうになり。しかし、三鷹電車区に12本残存する500番台に関して、何らかの動きが発生するとの見方もあるようだ。京浜東北線同様に初期グループの基本番台である南武線仕様車については、現状置き換え等の予定はあがっていない。

-大別-
900/910/920番台
量産先行試作車。当初901系A/B/C編成を名乗っていた。のちに209系に編入されている。
基本番台(京浜東北線)
上記の旧901をベースに、最初に量産されたグループ。京浜東北線に集中投入された。
当初は固定窓であったが、事故などによって長時間運転不能に陥った場合に、乗客が不調を訴えた、という事件がおきたため、急遽可動窓化改造が行われている。
基本番台(南武線)
京浜東北線の車両を基本に、南武線に投入されたグループ。6連を組む。
500番台
系列中唯一、幅広車体を採用したグループ。総武緩行線に投入された。
当初は後に登場するE231系によって、残存する103系を置き換える計画であったが、103系の老朽化故障が多発。これにより、E231系投入までのつなぎ役として急遽製造された。E217に近い近い車体構造を持つ。
1000番台
東京メトロ千代田線に乗り入れるために製造されたグループ。500番台より後の登場ではあるが、地下鉄線内の建築基準に合わせ、全幅は2800mmとなり、勾配に対応するため6M4Tの編成を組む。前面には、AA規格に対応するため、貫通扉が設置されている。
3000番台
八高線用の車両。4連を組み、半自動扱いドアを装備する。
3100番台
209系の最終増備車。りんかい線の10連化に伴い、余剰となった70-000をJR東日本が購入し、209系に編入したことにより誕生した。
全8両のうち、元70-000系は6両。不足した中間2両は新製された。なお、これら車両の登場はE231系登場以後であるが、車両性能をあわせるため、新製された2両もGTO素子のVVVFインバータを搭載している。
950番台
E231系の先行試作車。のちにE231系900番台に改称。

-編成-
 ・基本編成(10連)
 ・地下鉄用(10連)
 ・4連 
Tc'-M2-M1-T-T'-T-M2-M1-T-Tc
Tc'-M2-M1-T-M2-M1-T-M2-M1-Tc
Tc'-M2-M1-Tc

-運用-
 京浜東北線
 南武線
 八高線
 総武緩行線
 常磐緩行線(地下鉄直通)

-所属-
 ・浦和電車区
 ・三鷹電車区
 ・中原電車区
 ・松戸車両センター
 ・川越車両センター

-外装-
 ・ビードレスSUS構造/無塗装

-カラーバリエーション-
京浜東北線 南武線 八高線 常磐緩行線 京浜東北線
(500番台)
総武緩行線
(500番台)
京葉線 房総地区

-製造-
 ・JR東日本新津車両製作所  ・川崎重工業  ・東急車輛製造
 ・JR東日本大船工場(現鎌倉車両センター)
 

-関連リンク-
形式集
 ・701系  ・E127系  ・E217系  ・E531系  ・E231系  ・103系  
外部
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-模型(Nゲージ)-
KATO
 ・500番台(京浜東北線) ・500番台(総武緩行線)
TOMIX
 ・基本番台(京浜東北線) ・基本番台(南武線) ・500番台(京浜東北線) ・500番台(総武緩行線)
MICROACE
 ・500番台(京浜東北線) ・500番台(総武緩行線)