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113

所属会社
company
JR東日本/JR東海/JR西日本/
JR四国/
JR
-EAST/-CENTRAL/-WEST/
-SHIKOKU/
種別
type
一般形電車(近/中距離)
EMU/commuter
使用区域 房総地区/近畿地区/岡山地区/
高松地区/下関地区
電源方式 DC1500V
制御方式 抵抗制御
ドア数 3
在籍総数 896両
最高速度 100km/h(一部は110km/h対応)

今は無き東海道線113系 スカ色 04/08/12 銚子にて 消滅間近の静岡地区113系 06/09/08 金谷にて

-概要-
 旧国鉄の一般形電車。
 
103系と双璧をなす、国鉄型電車の代表格。401系の直流版として製造された、111系の高出力版として位置づけられる。同時期に登場した115系とは姉妹車の関係にある。

 その製造は111系も含めれば実に20年間にわたり、その総数は約2900両にまで及んだ。製造期間があまりにも長いため、製造時期にさまざまな設計変更が行われているほか、派生バリエーションも多岐に渡っている。

 この系列が投入された1960年代初頭には、東海道線東京口には2扉の80系や153系が使用されていた。増加の一途をたどる輸送需要に対し、2扉デッキ付きでは対応できるわけもなく、当時常磐線用に製造されていた401系をベースにした、3扉デッキ無の111系が開発されたのである。当初より高運形が製造されているため、本系列には低運車は存在しない。

 しかし、111系が搭載する主電動機の出力が小さく、MT比率を増やさなければならないという事態に陥った。そこで、同時期に登場した高出力型の主電動機を搭載して登場したのが、113系である。出力が向上したモーター車のみモハ113/112形となったが、制御車は111系の続番となった。付随車も111形を名乗るが、111系には付随車は存在しない。

 大都市近郊のみに集中投入された103系とは異なり、本系列は本州の広い地域で使用された。そのため、改造や短編成化によって膨大なまでの区分番台が誕生。さらに、グリーン車の連結も行われ、こちらには特急車や急行形からの編入車なども存在したため、本系列のバリエーション体系は複雑怪奇なものとなってしまった。

 新造車は地上用と地下用の二種に大別が可能であるが、もともと貫通扉を装備していることから外見上は103系ほどの相違点はない。これらの中にも、シートピッチ拡大車や冷房新造車などのいくつかのバリエーションがあり、タイフォンの位置が異なるものも存在する。

 このうち、最初期の地上用として登場したのが0番台と呼称される。これは東海道線のみならず、横須賀線にも投入されたが、同線の地下化によって、地下鉄仕様車が必要となった。このときに登場したのが、1000番台である。このうち、後期に登場したグループは1000’番台とも呼ばれ、ATCを搭載、タイフォンの位置もテールライトより下部に移されている。この顔を採用したのはこのグループのみであるが、車体構造は0番台の冷房搭載増備車などにも受け継がれた。こちらは、0’番台と呼称される。このほか、寒冷地である湖西線向けに、115系の車体を載せた変り種も製造された。

 さらに、上記の初期グループの改良仕様として登場したのが、地上線用2000番台、地下線用1500番台、寒冷地用2700番台である。クロスシートのシートピッチ拡大が行われたほか、窓割りも変更されている。

 新製されたのは上記のグループのみであるが、後には前述のように様々な改造も行われた。その主な内容は、先頭車化、寒冷地対応化、ワンマン化、高速化のほか、115系をはじめとした他形式からの編入である。
 このうち、先頭車化とワンマン化は同時に行われることも多く、JR化後には切妻化されたものも誕生している。

 このようにして、多数が製造され、そして多数が地方へ散った113系は115系とともに直流区間において圧倒的な勢力を誇り国鉄の一時代を作り上げた。それは、多数の形式が混在することとなった交流車両は異なり、211系が登場するまで直流3扉車の後継が存在しなかったことからも明らかだ。

 そして、その汎用性を証明するかのように、JRへの移行時には2800両近く、すなわち大半の車両が残存していた。しかし、長期間の製造は機構や装備類の陳腐化や均一化を生むこととなった。そのために、他の国鉄型と同様の運命をたどり、そののち20年を経ずして1900両近くが淘汰されることになるのである。

 JR東日本においては暖地形のみが在籍し、房総地区を除いて短編成でのローカル運用が存在しなかった。そのため、新系列車の二度にわたる大量投入により在籍数が激減している。
 まず、E217系が横須賀線/総武快速線に集中投入され数年のうちに撤退。数年のインターバルをはさみ東海道線にE231系が配置され、こちらも撤退した。大部分は廃車となったものの、二階建てグリーン車は211系に、一般車のうち状態の良好なものは房総地区に転属したほか、一部は伊豆急行やJR四国に譲渡されたものも存在する。

 JR東海でも313系による淘汰が進み、07年3月でに定期運用は終了となった。

 JR西日本では、103系と同じく大規模な体質改善が行われ、現在も多数が在籍している。また、北近畿地区や和歌山地区でのローカル用にも重宝されており、2連化されたものも多い。また、現在福知山線の脱線事故に関連して、ATS-P装備車の遣り繰りが頻繁に行われており、転配属の動きが激しくなっている。

 JR四国にはもともと113系は在籍していなかったが、老朽化の進んでいた111系の置き換え用にJR東日本から3連3本の計9両を購入、西日本のリニューアルに準じた工事を行った後に高松地区で運用されている。

 東海道線東京口及び静岡地区での運用終了により、撤退劇は一段落を向かえてはいるが、今後予想される関東地区の211系転属により、JR東日本所属車は全滅する可能性が高い。西日本地区では、113系を直接置き換える新型車は未だに登場しておらず、四国においても当分は現状を維持するものと思われる。

-大別-
初期製造グループ
 初期に量産されたグループ。
0番台
 最初期に登場したグループ。111系とほぼ同等の車体を持つ。ほぼ全滅。
0’番台
 1000’番台に準じた車体構造をもったグループ。
 全車が冷房準備工事もしくは冷房装備の状態で製造された。
700番台
 湖西線向けに115系300番台の上周りを載せたグループ。「’」車と同等の構造を持つ。
1000番台
 横須賀線東京駅ホームの地下化に伴い登場したグループ。しかし、ATC非装備のため地下運用には入れず、地上線で運用された。すでに全滅。
1000’番台
 1000番台後期車。ATC搭載、冷房準備工事などの改良が施され、全面のタイフォンが下部に移動した独特なマスクを持つ。現在も房総地区で運用されている。
改良新製グループ
 シートピッチを拡大したグループ。
1500番台
 地下線向け改良車。
2000番台
 暖地向け改良車。
2700番台
 寒冷地向け改良車。
クモハ112/113
 中間車の先頭車化改造によって生まれた形式。オリジナル車には存在しない。この改造により、原型では4連が限界であったが、3連や2連の組成も可能となった。西日本に多数在籍。
800番台
 福知山線及び山陰本線の部分電化に伴い、0番台車に寒冷地対応改造を施したグループ。ほぼ全滅。
300/800番台
 山陰本線の部分電化に伴い、2連化とワンマン化改造を行ったグループ。0’番台車に寒冷地対応改造を施しものが300番台、800番台を再改造したものが800番台である。高速化改造により5300/5800番台に移行。
2000番台【西】
 紀勢線のワンマン化により登場したグループ。40N改造を施工され、鮮やかなオーシャンブルーを纏った2連で構成される。両先頭車とも切妻であるが、103系に似た顔つきであるため、もっともスマートな113系といえる。様々な意味で下記の3800番台とは対照的な存在。
3800番台
 800番台を2連化したグループ。片側のクモハ112は東海顔だが、クモハ113側は切妻タイプに簡易な運転台を設置。さらに黄色い補強板を装備する独特な顔つきとなった。その特異さからかなぜかファンが多い。サンパチ君とも呼ばれる。
高速化車両
 221系223系といった高性能車の運行を阻害しないために、110km/h走行を可能にしたグループ。基本的に元番号+5000が符番される。
リニューアル車
 内外装の陳腐化及び新型車との設備格差を解消するために行われた工事。車番変更は無いものの、塗色が一新しているため判別は容易。
体質改善40N
 40年以上継続して使用することを目的としたリニューアル工事。ベンチレータ撤去、雨どいの張上化、窓の大型化などの腐食対策を主とした工事。
延命30N
 上記の40Nを簡易化した工事。張上化と窓の大型化を省略。
JR四国車
 老朽化の進む111系の置き換えを目的に、東日本から購入した車両。12両のみ在籍。
 40Nに準じたリニューアル工事を前面も含め実施。独特なマスクを採用している。改造に伴い、先頭車は新形式「クハ112/113」を名乗る。

-編成-
 ・8連
 ・6連
 ・4連
 ・3連
 ・2連
Tc-M’-M-T-T-M’-M-Tc
Tc-M’-M-M’-M-Tc
Tc-M’-M-Tc
Tc-M’-Mc
Mc’-Mc

-運用-
 房総地区
  ・総武本線(千葉〜銚子)
  ・成田線  ・鹿島線  ・外房線
  ・東金線  ・内房線

 静岡地区
  ・東海道線(熱海〜豊橋) 
  ・御殿場線(沼津〜御殿場)


 ・山陰本線(京都〜城崎温泉)
 ・湖西線 
 ・草津線 
 ・福知山線
 ・阪和線 
 ・紀勢本線(和歌山〜紀伊田辺)

 下関地区
   ・山陽本線 
   ・呉線  ・可部線

 高松地区
  ・瀬戸大橋線
  ・予讃線(高松〜観音寺)
  ・土讃線(多度津〜琴平)

-所属-
 ・幕張車両センター(千マリ)
 ・静岡車両区(静シス)
 ・神領車両区(海シン)

 ・京都総合運転所(京キト)
 ・宮原総合運転所(大ミハ)
 ・網干総合車両所(神ホシ)
 ・福知山運転所電車センター(福フチ)
 ・日根野電車区(大ヒネ)
 ・下関地域鉄道部下関車両管理室(広セキ)
 ・高松運転所(四カマ)

-外装-
 ・普通鋼/全塗装

-カラーバリエーション-
湘南色/京阪神地区 スカ色
房総地区
西日本リニューアル色
(通称:カフェオレ色)
西日本地区
 
阪和線快速色 旧小浜線色 福知山線 嵯峨野線 きのくに線 瀬戸内色
 
四国リニューアル色
四国リニューアル色
四国リニューアル色

-製造-
 ・川崎重工業  ・東急車輛製造  ・日本車輌製造   

-関連リンク-
形式集
 ・415系  ・115系  ・211系  ・221系  ・223系  ・E217系  ・E231系  ・313系  ・321系
外部
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-模型(Nゲージ)-
KATO
 ・2000番台湘南色/スカ色(二階建てG車含む)
TOMIX
 ・2000番台湘南色/スカ色(二階建てG車含む)
MICROACE
 ・関西線色(赤帯)  ・阪和線快速色  ・湘南色  ・スカ色
 ・1000番台 快速「白い砂」  ・1000番台前面強化リニューアル車