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E231

所属会社
company
JR東日本
JR-EAST
種別
type
一般形電車(近/中距離)
EMU/commuter
使用区域 首都圏各線
電源方式 DC1500V
制御方式 VVVFインバータ
ドア数 (一部6ドア)
在籍総数
最高速度 120km/h

02/05/03 東京にて 常磐線用E231系 04/08/12 天王台〜取手間にて 東西線直通800番台 06/07/20 西船橋にて

-概要-
 JR東日本の一般形電車。
 
 新系列車として登場した209系E217系により、既に明確な基準を失いつつあった通勤車と近郊車の区分はさらに曖昧なものとなった。そこで登場したのが、その二者を統合したが本系列である。また、公式に”一般形”を名乗った初の車両でもある。

 本系列は、209系などのコンセプトをさらに発展させ、東京圏の主要幹線に残る103系115系などの車両を淘汰するために製造された。209系500番台やE217系を発展させた幅広車体を採用し、全幅は車両限界ぎりぎりの2950mmまで広げられてる。

 情報処理技術も格段に向上し、従来の209系に組み込まれていた制御伝送MON8をさらに強化したTIMS「列車情報管理装置」を搭載している。これにより車内の回路を大幅に削減でき、軽量化を実現した。
 このTIMSは列車単位での情報管理が可能で、空調の完全自動化や音声アナウンスの自動化などを実現した。加えて、基本番台の常磐線仕様と500番台、中央総武緩行線の最末期増備車、そして近郊タイプの後期車はこのTIMSと連動し、輸送情報等さまざまな内容を車内の媒体に表示するシステム「VIS」を搭載している。このうち500番台では液晶画面で案内をより細やかに表示することが可能である。

 上記のように、旧型車両が残存する多数の線区に大量投入がなされているが、その形態には近郊タイプと通勤タイプの二種類に大別できる。

 うち、宇都宮/高崎線系に投入されたものが近郊タイプに分類される。数次にわたって増備が行われているが、一貫して緑色が強調された湘南色の帯を巻く。構造的にはE217系をベースにしているため、同系同様、踏切での衝突事故を考慮して運転室が後方に拡大されている。またライト配置も通勤タイプと異なり上部にHID二灯、下部にLEDの後部標識灯が配置されている。しかし、E217系とは異なり基本デザインを通勤タイプと共用するために、特徴的な顔つきとなった。この変則的な配置は、夜間や濃霧時に列車の早期認識を促すために採られたものである。

 車内レイアウトは、通勤タイプ同様ロングシートを基本とするが、先頭車およびその次位車両のみセミクロスシートを採用する。加えて、東海道線にも投入が行われたことから、本系列初のグリーン車が登場することになった。E217系同様、2階建てで各編成2両ずつ4、5号車に連結される。この東海道仕様から若干のマイナーチェンジが行われ、車内案内用LEDが常磐線用と同様2段式となった。

 ラッシュ時間帯においてはグリーン車の連結扉が閉鎖されることもあり、15連を組んだ場合、編成は3分割される。これに対応するために、編成中トイレは3箇所設置されている。

 東海道線への投入開始後、高崎宇都宮線系へのグリーン車連結が行われることとなり、他線区同様、既存編成に2両ずつグリーン車が編入された。これにともない、はじき出された在来4、5号車用車両を有効利用するため、新造中の東海道用編成に組み込む手法が採られた。よって、編成中にLEDが2段の新造車と1段の初期車が混在する事態となっている。ただし、小山所属車には完全グリーン化を目的に全車新製された車両、すなわち一般車も含め全車2段LEDを装備するも存在している。

 対して通勤タイプは209系500番台の発展系で、外観だけでは両者を判断することは難しい場合もある。また、この中でもいくつかに分化されており、ノーマルタイプの基本番台と、山手線用の発展型500番台、そして地下鉄東西線乗り入れ用の800番台が存在している。ノーマルタイプの通勤バージョンは、209系の幅広車である500番台とほぼ同じ外観であるが、500番台は独自のフロントマスクを採用している(写真参照)。

 800番台は、209系の地下鉄乗り入れバージョンである1000番台とほぼ同じ外観を持っており、車外スピーカーが初採用となった。

 他を上回る圧倒的な勢いで増備が続けられた結果、投入された各線区から前任の車両をすべて撤退させるに至った。さらに、山手線から転出した205系によって東京外縁部の103系も全滅に追いやられており、東京圏における、車両の近代化に多大な功績を残した。これに加え、後述の発展型であるE531系およびE233系が主要線区に残る鋼製車両の大半を淘汰したこともあり、首都圏のほぼ全域で本系列やそのファミリーを目にすることができる。

 先代である209系が多くのバリエーションを生んだように、この車両もいくつかの系列を派生させている。近郊バージョンをベースに交流機器を搭載し130km/h対応とした『E531系』。基本的なコンセプトはそのままに、モデルチェンジを実施した『E233系』である。標準車の座をE233系に譲ったため、今後本系列の大規模投入が行われる可能性は低い。

-大別-
900番台
量産先行試作車。当初209系950番台を名乗っていた。のちにE231系に編入された。
現在は三鷹電車区に所属し、基本番台とともに総武緩行線で運用されている。
通勤タイプ(総武緩行線)
上記の900番台をベースに、最初に量産されたグループ。209系500番台に類似するが、このグループは前面のFRP化粧版が銀色に塗装されている。一部6ドア車も在籍。
通勤タイプ(常磐快速線)
常磐線の路線特性にあわせ、大幅な改良が施されたグループ。在来103系の運用をそのまま置き換えたため、10連の基本編成と5連の付属編成が存在する。
これらの車両を効率的に分割/併合するため、基本編成の取手側、及び付属編成の先頭車には電気連結器が装備されている。
車内のLED案内板も総武緩行線のものとは異なり、2段となっている。上段はこれまでの車両と同じように、行き先、次駅案内を表示し、下段には運行情報、到着時分、乗り換え案内などがVISを通じて表示される。
500番台
上記の通勤タイプを基本にした発展形。山手線の専用形式である。
同線のみを走行するため、このグループは、本系列中単独編成では最大となる11連を組み、編成中に2両の6ドア車を連結している。
前面デザインも独自のものを採用。車内レイアウトは常磐快速線ののそれをさらに発展させた内容となった。車内案内媒体はLEDから液晶ディスプレー2枚に変化し、片方に運行情報他を、もう片方には広告を表示する。
800番台
301系及び103系1000/1200番台の淘汰を目的に製造されたグループ。地下鉄線内の建築基準に合わせ、全幅は2800mmとなり、前面には貫通扉を装備。勾配に対応するため6M4Tの編成を組む。
近郊タイプ
E217系の後継に当たるグループ。
踏切事故に対応するため、E217系と同じく、運転台部分が衝撃吸収構造を採用。また、常磐快速線用と同じく10連の基本編成と5連の付属編成が存在している。前部標識灯は視認性を向上するためにHID化され、上部に配置されているのが最大の特徴となっている。
初期グループ
通勤タイプ初期車とほぼ同時期に登場した車両。
後期グループ
東海道線の113系置き換えと上野口グリーン車100%化のために投入された車両。
運転台のグラスコックピット化や車内LEDの二段化など、常磐線仕様や500番台及びE531系に準じた改良が施されている。

-編成-
 ・基本編成(通勤タイプ:10連)
 ・基本編成(近郊タイプ:10連)
 ・付属編成(5連)
 ・地下鉄用(10連)
Tc’-M’-M-T-T’-T-M’-M-T-Tc
Tc’-M’-M-Tsd’-Tsd-T’-M’-M-T-Tc
Tc’-T’-M2-M1-T-Tc


-運用-
 総武緩行線:通勤タイプ
 常磐線系統:通勤タイプ
   ・常磐快速線(上野〜取手) 
   ・成田線(我孫子〜成田)
 山手線:500番台
 総武緩行線(東西線直通):800番台
 宇都宮/高崎線系統:近郊タイプ
  ・東北本線(上野〜黒磯) ・高崎線
  ・上越・両毛線(高崎〜新前橋〜前橋間)
 東海道本線系統:近郊タイプ
  ・東海道本線(東京〜熱海) ・御殿場線 ・伊東線
 横須賀線:近郊タイプ
 湘南新宿ライン:近郊タイプ

-所属-
 ・東京総合車両センター(東トウ)
 ・三鷹電車区(八ミツ)
 ・松戸車両センター(東マト)
 ・小山車両センター(宮ヤマ)
 ・国府津車両センター(横コツ)

-外装-
 ・ステンレス無塗装

-カラーバリエーション-
総武緩行線 常磐快速線 山手線 地下鉄東西線 新湘南色

-車体構造-
 ・「走るんです」

-製造-
 ・JR東日本新津車両製作所  ・川崎重工業  ・東急車輛製造

-関連リンク-
形式集
 ・103系  ・113系  ・115系  ・209系  ・E217系  ・E531系  ・E233系  ・E331系 
外部
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-模型(Nゲージ)-
KATO
 ・500番台(京浜東北線) ・500番台(総武緩行線)
TOMIX
 ・基本番台(京浜東北線) ・基本番台(南武線) ・500番台(京浜東北線) ・500番台(総武緩行線)
MICROACE
 ・500番台(京浜東北線) ・500番台(総武緩行線)