旧国鉄の一般形電車。
205系を基本とした、2扉1Mの近郊形電車。国鉄最後の新製車両である。同時期に登場した211系とは姉妹車の関係にある。
この系列の製造計画は、211系の総武快速・横須賀線への投入計画があったことに端を発する。東京駅付近での地下トンネル走行という路線の特性上、M車比率を上げる必要となったが、これに際し、従来の編成にユニットモーター車を組み込むより、1M駆動車を組み込んだほうがコスト的、性能的に有利であるという判断によって、213系の基礎が築かれた。
しかし、実際に総武快速・横須賀線に211系が投入されることはなく、本系列は結局は新たに開業した瀬戸大橋線を走る快速「マリンライナー」用として投入されることとなった。実際には瀬戸大橋開業の1年前に、岡山地区の115系を置き換えるためにモノクラス車が数本導入されており、これが本系列が国鉄最後の新製車両と呼ばれる所以である。
快速「マリンライナー」として運行するに当たっては、特別車のクロ212形が登場。この体制で、233-5000系や5000系が登場する15年後まで運行が続けられた。
現在は、上記の新マリンライナーの登場で213系は快速運用を引退。クロ212も一部を除き廃車となった。この時に、8編成が2連化改造され、サハ213形は西日本お得意である先頭車改造を受けた。同じステンレス構造であるJR東日本205系改造車とは異なり、鋼製の制御部分を取り付けている。この部分は白く塗られており、前面は同社の他の先頭改造車と同じくまっ平らである。現在では、岡山周辺の普通運用に就いている。なお、この系列のローカル転用により、岡山の103系全編成と一部の105系が保留、または転属となった。
このほか、クロ212と同様の鋼製による車体をもつモロ210とクモロ211による211/213系混合編成による「スーパーサルーンゆめじ」という特別編成も存在する。この編成は、新マリンライナー登場後もそのままの編成を保っている。
前述の基本番台とは異なり、中京地区にはJR化後に5000番台が投入された。これは、近畿日本鉄道と競合する関西本線のサービス向上が目的である。クハ-クモハの2両で編成が構成されており、西日本に存在したサハ車は東海には存在しない。また、基本構造も同社の211-5000系に準じており、基本番台とは大分仕様が異なっている。
関西本線は現在313系が投入によりワンマン化が行われ、213系はラッシュ時の運用にのみ就いている。
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