JR東海の一般形電車。
211系をベースとした中距離電車。当時、圧倒的なシェアを握っていた名古屋鉄道に対抗すべく、新たに設けられた新種別「新快速」向けの車両として製造された。
前述のとおり、車体や制御機器等は211系5000番台を基本としている。よって、211系と似たステンレス鋼体を採用しているが、前面のFRP装飾はかなり丸みを帯びた形状となったのが特徴である。また、同時期に登場した221系などと同じく近鉄5200系の影響を強く受けており、車内は開放的なレイアウトとなり、転換クロスシートを採用している。
非常にエポックメイキングな車両であり、当初より新快速に重点的に投入された。だが、運命は残酷なもので、後に登場する313系にその座をだんだんと奪われていくことになるのである。汎用形313系の数次に渡る大量増備の前には高々60両の311系は屈する以外の選択肢があるわけもなく、06年10月の改正ではついに快速運用も失ってしまった。結果として本系列は、実際の投入意義などをさて置いた場合、その地味な外観も相まってJR東海にとっての本命である313系と211系の繋ぎとして見なされてしまうことも多いのが実情である。
07年4月現在、すでに東海管内に117系、119系以外の鋼製電車は存在しておらず(保留車は除く)、313系の増備も終結を迎えた模様である。しかし、長期にわたる高速運用により疲弊が進んでいるとも言われており、今後数年のうちに何らかの動きが生じる可能性もある。
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