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115

所属会社
company
JR東日本/JR東海/JR西日本
JR/
-EAST/-CENTRAL/-WEST/
種別
type
一般形電車(近/中距離)
EMU/commuter
使用区域 新潟地区/北関東地区/近畿地区/
岡山地区/広島地区/下関地区
電源方式 DC1500V
制御方式 抵抗制御
ドア数 2/3
在籍総数 1020両
最高速度 100km/h(一部は110km/h対応)

快速「むさしの」 07/01/22 大宮にて

-概要-
 旧国鉄の一般形電車。
 
103系と双璧をなす、国鉄型電車の代表格。401系の直流版として製造された、111系の高出力/勾配/寒冷地対応版として位置づけられる。同時期に登場した113系とは姉妹車の関係にあり、原色である湘南色やスカ色の場合、前面の処理で見分けることができる。

 その製造は111系も含めれば実に20年間にわたり、その総数は約2000両にまで及んだ。製造期間があまりにも長いため、製造時期にさまざまな設計変更が行われているほか、派生バリエーションも多岐に渡っている。

 この系列が投入された1960年代初頭には、東海道線東京口には2扉の80系や153系が使用されていた。増加の一途をたどる輸送需要に対し、2扉デッキ付きでは対応できるわけもなく、当時常磐線用に製造されていた401系をベースにした、3扉デッキ無の111系が開発されたのである。当初より高運形が製造されているため、本系列には低運車は存在しない。

 しかし、111系が搭載する主電動機の出力が小さく、MT比率を増やさなければならないという事態に陥った。そこで登場したのが、高出力型の主電動機を搭載し、寒冷地及び勾配線区に対応した装備を施した115系である。ブレーキ系統の装備の関係で制御車や付随車も含めて111形は名乗らない。また、制御電動車であるクモハ115形が新製されているため、未改造車でも113系より短い3両での運用が可能である。

 基本的に暖地形である113系とは異なり、寒冷地や勾配線区も走行可能な車両性能ゆえに113系よりもローカル運用に適した車両である。そのため、大都市圏を長大編成を率いて走行していたのは東北/高崎線系のみであった。両路線ともE231系の大量投入により既に撤退しているが、地方線区においては後継車の投入はまだ少なく当分は残存する模様だ。

 基本的に、首都圏で運用されたものとローカル線区用に製造されたものの二種に大別が可能で、ローカル用には117系の設計思想を引き継いだ2扉車も存在する。

 このうち、最初期に登場したのが0番台で7年にわたって製造された。この改良版が300番台で、113系の初期グループ「’」車と同等の設備改良を行った。ただし、地下線は走行しないためATCは未搭載である。

 次に登場したものが、寒冷地投入用の雪切室を搭載した1000番台で、こちらは113系後期グループと同じくシートピッチ拡大を行っている。ここまでのグループが首都圏に直接投入されており、以降のグループはローカル運用専用である。この1000番台と同時期に登場したのが2000番台で、広島地区と身延線に投入された。

 上記のグループと一線を画した存在が新造された最後のグループである3000番台であ。これは2000番台と同じく広島地区に投入されたものであるが、117系と同等の車体構造を採用した本系列唯一の2扉車となった。

 新製されたのは上記のグループのみであるが、後には前述のように様々な改造も行われた。その主な内容は、先頭車化、ワンマン化、高速化のほか、117系をはじめとした他形式からの編入である。
 このうち、先頭車化とワンマン化は同時に行われることも多く、JR化後には切妻化されたものも誕生している。

 ちなみに、中距離列車上野口のグリーン車連結は本系列撤退後に行われたため、115系にグリーン車は存在しない。しかし、一時期急行として運用された際、165系のグリーン車を改造して連結したことがある。

 このようにして、多数が製造された115系は113系とともに直流区間において圧倒的な勢力を誇り国鉄の一時代を作り上げた。それは、多数の形式が混在することとなった交流車両は異なり、211系が登場するまで直流3扉車の後継が存在しなかったことからも明らかだ。

 そして、その汎用性を証明するかのように、JRへの移行時には2000両近く、すなわち大半の車両が残存していた。だが、その後に辿った運命は113系とは大分異なったものとなった。

 前述のように、大都市圏では東北/高崎線系のみに投入されており、都心→地方への転属もそれほど多くは行われなかった。さらに、寒冷地や勾配線区といった特殊な状況下で運用されているため、玉突きによる車両代替は起き辛く、新車の直接投入は余計に起きる率は少なかったのである。よって、現在では113系よりも残存する車両数が多いという結果となった。

 JR東日本においては既にローカル運用が残るのみで、両毛線及び高崎以北の上越線、新潟地区、そして長野地区、中央線立川以西で運用されている。

 JR東海でも313系による淘汰が進み、現状では静岡地区のローカル運用を残すのみであった。しかし、これも07年3月を目途に定期運用は廃止されている。

 JR西日本では、103系と同じく大規模な体質改善が行われ、現在も多数が在籍している。また、北近畿地区や広島地区でのローカル用にも重宝されており、切妻化されたものも多い。また、広島地区においてはいわゆる「瀬野八」の影響で、抑速ブレーキ装備の115系以外の車両が運用できないという状況にある。

 今後は、211系の転用により、小山/高崎地区では全滅する可能性があるものの、その他地域では代替車が存在しておらず、113系以上に存続するものと思われる。

-大別-
0番台
 初期に量産されたグループ。
300番台
 A-A基準対応のマイナーチェンジグループ。
800番台
 中央線の小断面トンネル対応の車両。パンタ設置部が低屋根化されている。モハ114のみに存在。
1000番台
 シートピッチを拡大し、雪切室を設置たグループ。
2000番台
 暖地ローカル線投入グループ。シートピッチ拡大車。
3000番台
 117系の設計思想を受け継いだグループ。2扉車。
3500番台
 117系から編入したグループ。パンタグラフがモハ115に設置されている。中間車のみの存在。
1000番台【西】
 伯備線ローカル用に改造されたグループ。2連切妻編成を組む。113系2000番台【西】と同様、非貫通のスマートな前面を持つ。
1600番台
 岡山地区の短編成化のために改造されたグループ。貫通型で低運転台構造。ライトは下部に移された。
6000/6500番台
 舞鶴線電化に伴い投入されたグループ。1600番台同様貫通型ではあるが高運転台構造を採用。
高速化車両
 221系223系といった高性能車の運行を阻害しないために、110km/h走行を可能にしたグループ。基本的に元番号+5000が符番される。113系が不足し東海道線に転用した際に施工された。
リニューアル車
 内外装の陳腐化及び新型車との設備格差を解消するために行われた工事。車番変更は無いものの、塗色が一新しているため判別は容易。
体質改善40N
 40年以上継続して使用することを目的としたリニューアル工事。ベンチレータ撤去、雨どいの張上化、窓の大型化などの腐食対策を主とした工事。
延命30N
 上記の40Nを簡易化した工事。張上化と窓の大型化を省略。

-編成-
 ・8連
 ・6連
 ・4連
 ・3連
 ・2連
Tc-M’-M-T-T-M’-M-Tc
Tc-M’-M-M’-M-Tc
Tc-M’-M-Tc
Tc-M’-Mc
Mc’-Mc

-運用-
 ・両毛線 
 ・東北本線(小山〜黒磯)
 ・吾妻線
 ・信越本線
 ・上越線

 新潟地区
  ・越後線   ・白新線
  ・羽越本線(新津〜村上)

 長野地区
  ・中央本線(塩尻〜立川/中津川)
  ・中央本線(辰野支線)
  ・大糸線(松本〜南小谷)
  ・篠ノ井線

 快速「むさしの」
  ・中央本線(八王子〜立川)
  ・武蔵野線(新小平〜西浦和)
  ・東北本線(北浦和〜浦和)
 静岡地区
  ・東海道線(沼津〜静岡)  ・身延線
  ・御殿場線  ・飯田線


 ・山陰本線(京都〜城崎温泉、伯耆大山〜西出雲 )
 ・舞鶴線
 
 山陽地区
  ・山陽本線(姫路以西)  ・赤穂線  ・伯備線
  ・宇野線  ・本四備讃線  ・可部線  ・呉線
  ・予讃線(宇多津〜多度津)  ・土讃線(多度津〜琴平)

 乗り入れ先:しなの鉄道
 乗り入れ先:北近畿タンゴ鉄道宮福線

 譲渡車両:しなの鉄道
 譲渡車両:伊豆急行

-所属-
 ・小山車両センター(宮ヤマ)
 ・高崎車両センター(高タカ)
 ・新潟車両センター(新ニイ)
 ・豊田電車区(八トタ)
 ・松本車両センター(長モト)
 ・長野車両センター(長ナノ)
 ・静岡車両区(静シス)
 ・福知山運転所電車センター(福フチ)
 ・岡山電車区電車センター(岡オカ)
 ・広島運転所(広ヒロ)
 ・下関地域鉄道部下関車両管理室(広セキ)

-外装-
 ・普通鋼/全塗装

-カラーバリエーション-
湘南色
長野/山陽地区
スカ色
長野/山梨地区
信州色
新潟色
 
新・新潟色 弥彦線 西日本リニューアル色
西日本地区
広島リニューアル色
 
瀬戸内色 広島快速色 旧福知山色
広島地区

-製造-
 ・川崎重工業  ・東急車輛製造  ・日本車輌製造   

-関連リンク-
形式集
 ・415系  ・113系  ・211系  ・221系  ・223系  ・E231系  ・313系  ・321系
外部
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-模型(Nゲージ)-
KATO
 ・1000番台湘南色
TOMIX
 ・1000番台湘南色  ・1000番台スカ色  ・1000番台信州色  ・1000番台旧信州色
 ・1000番台旧新潟色  ・1000番台新潟色  ・1000番台新・新潟色  ・2000番台旧身延線色(赤)
MICROACE
 ・湘南色  ・300番台/快速「むさしの」  ・800番台湘南色  ・800番台スカ色 
 ・800番台/急行「かいじ」  ・3000番台広島快速色  ・3500番台瀬戸内色