JR西日本の一般形電車。
従来のように在来車の短編成化ではなく、両運転台車として新製された珍しい車両。小浜線の電化の際に初めて導入された。後の加古川線電化時には103系とともに投入され、06年10月の敦賀地区直流化に際しても増備が行われた。
新製とはいえ、コスト削減や保守管理の効率化を考慮して、223系の中間車の鋼体をそのまま流用している。つまるところ、223系中間車の両運転台仕様である。そのために、2扉車ながら中間部には「準備工事済み」のドアが存在する。
制御機器類は単行運転に備えて二重化が施されているが、同様のコンセプトで設計されたE233系とは異なり走行用パンタグラフは一基のみ搭載される。また、駆動系では動力台車と付随台車をそれぞれ一機ずつ履いている。これにより、単行時でも複数連結時でも1M1Tの構成を保つことが可能となっている。この「0.5M思想」は後に321系に引き継がれることとなる。
最高速度は120km/hとローカル車両ながら高いものの、小浜線や加古川線の場合簡易電化がであるがために、80km/h以上を出すことはできない。
直流ローカル区間近代化の切り札とも呼べる車両ではあるものの、大半の車両が電化時の地元負担金によって製造されている。このため、地元負担金が得られるであろうローカル線電化計画が無い現状において、本系列が増備される可能性は高いとはいえない。とはいえ、和歌山地区や広島/下関地区には多数の旧型車が残存しているため、これら車両の置き換えのために製造される可能性もゼロでは無い。が、どちらにせよ本丸であるアーバンネットワーク圏内での旧型車淘汰が終わっていない現在においては、これ以上の増備は望むべくもないというのが結論なのだろう。 |
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