旧国鉄の一般形電車。
80年代には他の地方線区と同じく旧型国電が未だ多数残存していた。これらを淘汰すべく開発されたのが本系列である。
同時期、国鉄は同様の問題を抱えた他の線区に115系や105系を投入していた。しかし、2両単位での運行や駅間の短さ、勾配存在などの環境から、両者とも飯田線への導入は難しい状況にあった。そこで、105系の動力システムである1M方式を採用し、なおかつ抑速ブレーキを装備した新系列が製造されることとなったのである。
形式が117系の続番となっているからもわかるように、近郊車として位置づけらている。そのため、車体は幅狭で、セミクロスシートである。前面形状は増解結を考慮した貫通型で、窓周りがへこんだ105系と同様のデザインを採用している。
105系と同じく全車が先頭車で構成されており、当初は3連で運用されたものも存在していた。しかし、のちの運用調整により2連に改編、余剰となったMc車に運転台を取り付け両運転台車へと改造を行った。このときに誕生した両運車は100番台に分類されている。
国鉄末期には一部の車両が東海道線静岡地区の快速「するがシャトル」に転用されたものの、もともと飯田線に特化した車両特性上、東海道線の路線特性には適応できず数年で撤退している。この際にこれら車両には冷房化改造が施され、本系列初の冷房車となった。
後に、残りの車両にもインバータクーラーが搭載改造が施工されており、改造時に車番が+5000となった。このため、本系列には1の車番を持つ車両は現存していない。このほか、2連を組む数本の車両はワンマン化改造を受けて5300番台となっている。
その特殊な生い立ちゆえ未だ後継車は現れておらず、313系の大量投入による置き換え対象にも含まれていない。そのため、当分は安泰であると思われる。
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