JR北海道の一般形電車。
従来711系や客車列車で運行されてきた、札幌圏における輸送改善を目的に投入された系列。JR東日本が仙台地区に導入したE721系とは無関係である。
JR北海道が民営化後初めて導入した独自設計の車両だが、他のJR各社の第一世代車両と同じく、転換クロスシート採用のハイクオリティ車両である。211系から続く軽量ステンレス構造を採用している点は221系以外の同一世代車と同様であるが、最高速度は130km/hと突出した走行性能を誇る。
北海道という特殊な条件での運行を行うため、車体構造には本州の車両にはない特殊な点が多い。近郊運用を主体にしているため、711系の反省も踏まえて片側3扉を採用してはいるが、両開きではなくすべて片開きとなっている。また、酷寒地での運用であるがために、03年製8次車を除き3扉でありながらデッキを設けている。つまり、車内は前後二つの部屋に分けられているということになる。
同一世代のステンレス車同様前面はFRPで構成されており、同社のキハ183-500に準じたデザインを採用している。ただし腰部のライトを丸型としたことで、その印象は大きく変化した。
88年の投入開始から、03年までの長期間にわたって製造が続けられており、多数のバリエーションが生じている。これらは、制御方式と編成数の二つの側面で大別が可能で、初期車は711系同様のサイリスタ位相制御、後期車はVVVFインバータ制御の二系統、編成は3連と6連の二種が存在している。これらは、03年に大規模な編成組み換えが行われたこと、そして130km/h運転に備えた改修を施工した関係で、区分番台が複雑化しているために、車番のみでの体系化は不可能である。ゆえに、本系列の場合製造年次で分類されることが多い。
うち、92年までに製造されたグループは3連固定でサイリスタ制御車。さらに、同年には6連固定編成が登場する。この時点で、3連固定の1編成が6連に組みかえられている。これら初期グループは、02年に6連を組む全編成と3連の一部編成に、ブレーキ強化などの改修が施され130km/h運転対応となったため3000番台に改番されている。
翌年の93年に登場したグループは1000番台に区分され、再び3連に戻ったが785系の登場を受けてVVVFインバータ制御に切り替えられた。さらに、03年には731系をベースとした車両が4000/5000番台として中間車のみ増備されている。この03年製の車両が、1000番台車の中間に組み込まれ2編成を除きすべてが6連となった。この際に、既存の車両も同時に改番している。
全車が普通車で構成されているが、6両編成の4号車、および1009編成にはUシートが設けられている。この車両は、一般車と異なり青と赤の二色の帯を巻いている。
前述のとおり15年間増備が続いているが、711系がいまだ多数が残存していることから今後も新製される可能性は高い。 |
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