旧国鉄の旧急行形電車。
80系の登場によって飛躍的に発展した長距離電車列車は153系でさらにその範囲を広げることとなる。それと同時に、全国各地で始まった交流電化の下で急行列車の運行を行うべく開発されたのが、本系列群である。
一般運用向けの415系列同様、対応する周波数や出力、さらに独自の条件として抑速ブレーキの有無によって細かに形式が細分化されている。また、153系と同等の初期グループと165系と同等の後期グループ、さらに統合形に大別できるのも同様である。よって、153系と165系に明確に分類される直流急行形とは異なり、これらグループはひとまとめにされることが多い。
このうち、もっとも最初に製造されたのが451/471系で、これを出力強化したものが453/457系となる。これらが初期グループに分類され、453/473系に抑速ブレーキを追加した455/475系が165系準拠の後期グループに分類される。さらに、これらを統合した最終進化版が457系であるが、製造数はさほど多くはなかった。
製造開始後の60年代より、東北、北陸、九州といった交流電化区間での急行列車運用が開始され、優等列車ネットワークを広げていくことになる。しかし、80年代に入って行われた急行列車の整理により、これら地区での電車急行が全廃。同時期に開始された地方都市圏での電車ダイヤ化、そして417系の挫折を受けて本系列は地方都市圏での近郊運用という第二の人生を歩むこととなるのである。
近郊列車化格下げに伴う主な改造は、同時期に登場した419/715系と同様に一部シートのロング化や洗面所の廃止、そして一部車両の先頭車化などである。ただし、新たに設置された前面は切妻ではなく、新製車と同等の東海型となっている。
とはいえ、これは417系の挫折と深刻な車両/資金の不足によって生まれた妥協の産物であるため、当然輸送実態に見合ったものにはなり得なかった。そこで、国鉄は413/717系という改造形式をでっち上げ、本系列群のうちの初期グループがそのベースとなったのである。対して、後期形の455/475系以降の車両は、車体更新されることはなくそのまま運用が続けられている。
JR移行後も各地で近郊運用が続けられてきたが、20年目にしてようやく大きな動きが始まっている。
JR東日本では、719系や701系が投入されてはいたが仙山線以外の仙台近郊路線、そして磐越西線で運行されてきた。しかし、新世代の標準車であるE721系の大量投入によって、訓練車を含めて全車両が淘汰される見込みとなった。置き換え対象には本系列からの改造形式である717系も含まれており、07年度中には営業車から急行形車両が全滅する見込みである。
JR西日本では、北陸地区において改造形式である413系とともに多数が残存している。中でも、車齢が45年に達する初期グループである471系がいまだに残存していることは特筆に値する。しかし、本系列を含むここ北陸地区で運用される一般車両はその大半が深刻な老朽化問題を抱えているために、大規模な淘汰が行われる可能性がある。
JR九州においては、南九州を中心に運用されていたものの、 813-1100系及び817-1100系投入に伴う415系の転属によって、定期運用から離脱している。 |
|