JR東日本の一般形電車。
211系グリーン車をベースとした近郊形電車。現状唯一の、在来線オール2階建て車輌である。
JR化直後の好景気の中、増大する遠距離通勤者の着席率増加を目指してライナー運用向けに製造された。上記のように、211系二階建てグリーン車をベースとしてはいるが、東海道線を走行する他系列と同様グリーン車は2両のみであり、残りはすべて普通車で構成されている。このうち両先頭車は一階部分を機械室にあてており、厳密にはハイデッカー車に分類される。この空間的な制約から、編成中に動力車は各先頭車を含む2ユニットのみで、4M6Tの構成を組んでいる。そのため、M250系やTGV等と同様ある意味でプッシュプル編成ともとることができる。
このように、普通車にもダブルデッカーを使用したことからクハ415-1901の量産車とも位置づけることができるが、そのたどった道は結果こそ違うものの両者ともにほぼ同様のものとなってしまった。
車体構造が突飛な反面、機器類は211系と同等のものを使用しており、その点はあまり問題にはならなかった。だが、その特異な構造が問題を抱え込んでしまう。つまるところ、今回も2階建てであるというメリットが、2扉車であるという最大の弱点の前に敗れ去ってしまったのである。
当初はライナー運用に加え、花形とも言える昼間の快速「アクティー」に起用された。そこまではよかったのだが、当初計画された付属編成が製造されず、基本編成のみの10両編成であったことに加え、前述の”最大の弱点”がたたり遅延が目立つようになる。その結果「アクティー」からは引きずりおろされ、新設の湘南新宿ラインに移ることとなるが、これも長くは続かず同線のE231系化に伴い撤退。現在では朝夕のライナー以外には定期運用が無くなってしまった。
とはいえ、二階建てであるというインパクトやその輸送量は侮れないものがあり、臨時快速などの波動用には重宝されているようだ。07年10月現在、置き換え計画は発表されていない。 |
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